まこ雑記帳

北海道札幌市から、なんでもない日々をつらつらと

『行方』読了

 

読書記録です

 

行方(双葉文庫) 春口裕子


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公園から忽然と姿を消した三才の琴美。両親は必死に探すが、一向に見つからない。

──22年後。自堕落な生活を送る幸子のもとに、一通の手紙が届く。差出人は、消息不明の妹を探し続ける男だった。同じ頃、浜名湖畔で父親の誠司とペンションを営んでいる楓。ある日を境に、楓は誠司に対して不信感を抱く。父は何か秘密を抱えて生きているのではないか。交わるはずのなかった人生が交錯したとき、浮かび上がる真実。切ない想いが胸を満たすサスペンス長編。

 

お初の作家さん 春口裕子さん

イヤミス系の作品が多いらしく、実を言うとそのジャンルは私の苦手の一つ

ほら、わざわざ本の中でもモヤーっとしたジメーっとした気持ちにならなくても良くない?と、あまり手に取ることがなかったのです

しかし、久しぶりに一気に読了しましたよ

 

 

映画化やドラマ化しそう

女児失踪事件からストーリーは始まります

お母さん(妙子)の心理描写が痛いほど伝わりました

あの時ああすれば、あの時こう言えば、と自分を責めてしまいます

姑からも責められ、夫は優しく庇ってくれるものの自責の念からそれも苦しく、頼れる背中にすら重圧を感じます

そして、周囲の声がリアルなのでこっちまで苦しくなります

同じ幼稚園の付き合いの浅い(であろう)ママ達や、週刊誌、それらを真に受けていたずら電話をかけてくる顔のない匿名の人たち

のらりくらりと責任転嫁するママ友や幼稚園

 

あーーー!イライラするわー!

 

ネタバレになるのはアレなので、その先は詳しく書きませんが、さほどイヤミス感は無かったです

 

わかりやすい結末と、入り込みやすい内容なので映画化かドラマ化されそうな予感

 

最後の方で、とっ散らかったのをバタバタと詰めた感は否めないのと、朱里と幸子の母娘が鍵だった割に最後が描かれていないのが消化不足

 

それでも最近読んだ本の中では読了までは早かった一冊でした