まこ雑記帳

北海道札幌市から、なんでもない日々をつらつらと

『土を喰らう12ヶ月』を観てきた

昨日から〈一応、療養期間の終了(陰性だけど)〉ということで、餃子を食べてみたりして体力の回復に努めてみてる。

職場の課長からは「今週は山登りダメね笑」と禁止令が出て、もちろん夫からも「山登りなんて今週はだめだよ」と言われて、HPゼロだし今週は映画にしとこうということになった。

 

『土を喰らう12ヶ月』

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原作は水上勉氏のエッセイ

エッセイだからか、ドキュメンタリー映画みたいな雰囲気の作品だった

 

この映画の公開情報が出たとき、惹かれた理由が土井善晴さんが料理監修と聞いたから。

劇中の料理だけじゃなく、器使いも素晴らしい。

 

何度繰り返し読んだことか

手抜きしろって言ってるんじゃない。そんな頑張らなくていいって言ってくれる。彩りがーとか、緑が足りないとか言う人、ホント勘弁してくれ。夫がそういう人じゃなくて良かった。

私、料理が嫌い。

これも良かった。後半、悟りや宇宙みたいになっちゃっているけど。料理が嫌いな私だけど、味噌づくりと梅干し仕事はここ数年欠かしていない。味噌と梅があればなんとかなるのさ。

 

映画の話に戻る。

作家のツトムは十数年前に亡くなった妻の遺骨とともに犬のさんしょと信州の山の中で暮らしている。編集者であり恋人の真知子は仕事がてら、たまにこの山荘を訪れる。畑仕事や信州の山の恵みと、四季折々の食を通した人間ドラマ、がこの映画のざっくりとした内容。

 

主演の沢田研二演じる老作家が、畑仕事や山菜採りに勤しみ、地味だけど滋味深い料理で毎日を過ごすんだけど「ちょっと!大丈夫!?たか子もう少し手伝ってやれよ!」と思わせるほど、よく動く。そしてまたそれがよく似合う。斜めに被った帽子を投げ捨て、グレート・ムタばりに口から噴霧していたあの沢田研二が、なめこを摘んでるから、びっくり。(ちなみに、ジュリーの全盛期はTOKIOくらいしか記憶になくて、昭和歌謡大好き夫に沢田研二の魅力を今回教授された)

映画の肝としては『生死観』がテーマっぽくなるんだけど、それが老作家の姿とぴったりで、生きるために食べて、死ぬために生きるんだよと。

北アルプスの山並みを背景に物語は進むんだけど、四季の移ろいが映像だけじゃなく、音も乗せて伝わってきた。

 

あんまり映画は見ないんだけど、これは観てよかった。私、きちんとしろ!って時の『かもめ食堂』と並ぶ一作でした。


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発寒『餃子館』の餃子