アンソロジーお弁当 PARCO出版
日本を代表する随筆家、小説家、文章家たちによる思い出や思いの詰まった「お弁当」についての随筆を集めた「アンソロジー お弁当。」
読者の共感を得られるこどものころの思い出から、現在のお弁当事情まで、まるで幕の内弁当のようにさまざまなおかずが楽しめる、読んでおいしいアンソロジーです。
7つの章からなる41個の「お弁当」
ひとのお弁当は、いつも気になる。
ぎっしり詰めた41篇
手に取ったら実は第2弾だったという
各々のエッセイから抜粋されたものなのか、読んだことがあるお話もあったり
エッセイなので作家さんが高齢だと時代背景も終戦直後だったりで、なんだか映画や本の中の世界のようなのです
阿川佐和子さんの『かつぶし弁当』なんて、うふふってなってしまう文章で、阿川さんのあの喋り声が文章から聞こえてくる
江國香織さんの『のり弁の日』は、お洒落なイメージがある著者の、若かりし頃のお弁当を今の江國香織さんがシャンパンと共に頂くあたりなんて、「っぽい」なぁと
向田邦子さんの『お弁当』は考えることも多く、別の視点で良かった
ああ、書き連ねていくとネタバレになってしまうんだけど、紹介したくてたまらない
作品を読んだことはあれど、どんなお弁当を食べきたかなんて知りもしないんだもの「この方はこういうお弁当を食べてきたのね うふふ」と、人んちの台所を覗いているような気分
とにかく『人に歴史あり、お弁当に家庭あり』で、古いお弁当(腐ってるとかじゃなくて、今のお弁当のように派手さがない)が新鮮に映ったのです
そして、写真が良い
おにぎりだったり、わっぱだったり、アルミの大きなお弁当
そこの背景を想像したくなる、いい写真ばかり
そんな私のお弁当箱は、名前入りの塗りの曲げわっぱ
長女が高校入学の時にお弁当一式を買った際、私も便乗して娘より高いお弁当箱を買ったのです
その日以来、お昼ごはんが必要な日はその曲げわっぱかメスティンにご飯やおかずを詰めたお弁当を持って、仕事に行っています
読後はいつものお弁当にもう一品、足したくなる
誰かのために作るお弁当に
私のために作るお弁当に